ベースタンクとは、発電機セットのベースフレームに組み込まれた燃料タンクのことです。エンジンとオルタネーターはその上に据え付けられ、パッケージ全体が一体のユニットとして輸送、吊り上げ、運転されます。ディーゼル発電機に専用の燃料備蓄を持たせる最もコンパクトな方法であり、コンテナ型や屋外設置の発電機セットの多くがベースタンク付きで発注されるのはそのためです。
AXONは、あらゆるメーカーのディーゼル発電機セット向けに、コンテナパッケージの一部として、または発電機メーカーへ納入する単体のベースフレームとして、ベースタンクを設計・供給しています。このページでは、ベースタンクの仕様の決め方、ベースタンクが適している場合、そして別置きの燃料小出槽の方が適している場合を説明します。

ベースタンクとは何か、何ではないか
発電機セットのベースフレームは通常、防振マウントを介してエンジンとオルタネーターを支え、パッケージの吊り点を提供します。ベースタンクでは、このフレームが密閉された溶接構造のタンクとして製作され、本来なら空の鋼製フレームであるエンジン下の空間に燃料が収められます。燃料の送油口と戻り口はエンジンまで立ち上がり、給油口は側面に設けられ、発電機セットは外部配管なしで運転できます。
ベースタンクは大容量貯蔵タンクではありません。その容量は、発電機セットの設置面積と、エンジンが整備や輸送に支障をきたすほど高くならない範囲のフレーム高さによって制限されます。数日分の連続運転時間が必要なサイトでは、ベースタンクは運転用の備蓄となり、大容量貯蔵タンクからそこへ燃料が補給されます。
また、燃料小出槽(デイタンク)と同じものでもありません。燃料小出槽は別置きの容器で、通常は大容量貯蔵タンクから移送ポンプで補給され、プラントのレイアウトに応じた場所に設置されます。ベースタンクは発電機セットの一部であり、燃料小出槽は設備側の一部です。
ベースタンクが適している場合
燃料室がなく、別置きタンクのスペースもない屋外またはコンテナ内に設置される非常用・常用の発電機セット。発電機セットが到着したら、据え付け、給油、接続するだけで済みます。
レンタル機や、サイト間を移動する発電機セット。燃料が機械とともに移動するため、新しいサイトで何も設置する必要がありません。
必要な連続運転時間分の燃料が発電機セットの下に収まるサイト。数時間の停電をカバーする非常用発電機セットであれば、ベースタンクだけで十分な場合が多くあります。常用電源や、全負荷で長時間の運転を仕様で求めるデータセンターでは、ベースタンクは、大容量貯蔵タンク、移送ポンプ、燃料ポリッシングを備えた大規模システムの燃料小出槽(デイタンク)の役割を担います。
防音エンクロージャーを備えた騒音に敏感なサイト。タンクによって発電機セットの位置が高くなるため、エンクロージャーの給気・排気ルートをエンジンの床面より下に確保でき、さらに質量が加わることでエンクロージャーの静粛性にも寄与します。
容量と連続運転時間
容量は、プロジェクト側が提示すべき二つの数値から決まります。想定負荷でのエンジンの燃料消費量と、燃料補給なしで発電機セットが運転しなければならない時間です。前者はエンジンのデータシートから、後者はオーナー、運用者、または設計基準から得られます。この二つから有効容量が決まり、有効容量からタンクが決まります。
重要なのは「有効」という言葉です。タンクは決して満杯まで給油されず、吸込口はタンクの底まで燃料を吸い上げることはありません。給油時の余裕、膨張のための空間、吸込口より下の残留分は、いずれも公称容量から差し引かれます。公称容量か有効容量かを明示していない容量は、まだ仕様とは言えません。
限界を決めるのはフレームです。長い発電機セットならタンクも長くできますが、フレームを広く、または高くすれば容量は増える一方で、エンジンの位置が上がり、重心もそれに伴って高くなります。連続運転時間分の燃料が収まらない場合の答えは、大容量貯蔵タンクと移送システムであって、整備できないほど背の高いフレームではありません。
構造:二重殻、バッフル、強度
ベースタンクはその上に発電機セットを載せているため、第一に構造部材であり、第二にタンクです。壁面は補強され、タンク内にはバッフル(防波板)が設けられるため、発電機セットの吊り上げ、輸送、傾いた基礎上での運転時にも燃料が端から端へ揺動せず、エンジンとオルタネーターの下でフレームの剛性が保たれます。
今日ではほとんどの仕様で二重殻タンクが求められます。燃料を保持する内槽と、内槽からの漏えいを受け止める外殻で構成され、両者の間の空間は監視されます。外殻は内槽の全容量を保持できる大きさとされ、内壁が破損しても燃料が地面に達することはありません。二重殻が要求されない場合、コンテナ内では発電機セット下の防油堤付き床またはドリップトレイが一般的な代替手段です。
材料と塗装はサイトに合わせて選定します。沿岸部や砂漠の設備では、発電機室とは異なる外面仕様が必要です。タンク内部は、排出、点検、清掃ができるように設計します。タンクの材質にかかわらず、貯蔵された軽油には時間とともに水分とスラッジが溜まるからです。
付属品と計装
ベースタンクの使い勝手は、備えている接続口と計装で決まります。通常の供給範囲は次のとおりです。
- キャップ付き給油口。プロジェクトの要求に応じて、発電機セット側面に施錠可能な給油キャビネットを設置
- 安全な場所へ導く通気管。給油時も排出時もタンクが加圧されない口径とする
- 遮断弁付きの、エンジンへの燃料送油管と戻り管
- 発電機セットの位置で読み取れる機械式液面計と、低液面・高液面・オーバーフロー用の液面スイッチ
- オーバーフロー防止:移送ポンプを停止させる高液面スイッチ、または大容量貯蔵タンクへのオーバーフロー戻り管
- 二重殻タンクの殻間空間における漏えい検知(制御盤に配線)
- 水分と沈殿物を抜くための最低部のドレン弁、および清掃用の点検口
- 燃料が長期間滞留する場合の、燃料ポリッシングシステム用接続口
液面、漏えい、オーバーフローの各信号は、発電機コントローラーまたは補機盤に取り込まれます。タンクの液面低下や漏えいが、次回の点検で見つかる事象ではなく、運用者がその場で確認できる警報となるようにするためです。
輸送、吊り上げ、設置現場
ベースタンク付きの発電機セットは、オープンフレーム上の同じセットより重く、高さも増します。輸送時、タンクは通常空の状態です。吊り点、使用する場合のフォークポケット、固縛点は出荷時のパッケージ状態に合わせて設計し、満載時の重量は現地の基礎設計のために別途明示します。
現地では、発電機セットを平坦で水平な基礎の上に据え付けます。水平でない状態のタンクは誤った燃料液面を示し、一方の端で使用可能な燃料が吸込口より下に残ることがあります。給油口、ドレン、点検口へのアクセスは、コンテナ内であってもレイアウト上で確保します。
ベースタンクか、燃料小出槽か、その両方か
連続運転時間が短く、発電機セットが1台で、大容量貯蔵タンクがない場合:ベースタンクのみ。
連続運転時間が長い場合や発電機セットが複数台の場合:大容量貯蔵タンクと移送システムから、各ベースタンクまたは別置きの燃料小出槽へ補給します。この場合、ベースタンクが運転用の備蓄を、大容量貯蔵タンクが連続運転時間分の燃料を受け持ちます。燃料ポリッシングにより、停電と停電の間も貯蔵燃料を使用可能な状態に保ちます。
建屋内の燃料貯蔵量が消防法規で制限される屋内の発電機室:エンジン近くの小型の燃料小出槽と屋外の大容量貯蔵タンクという構成になります。ベースタンクが認められない場合もあり、現地の法規が決め手となります。
AXONが供給する機器
- 発電機セットのベースフレームとしてのベースタンク(一重殻または二重殻)
- 付属品:給油口、通気口、液面計・液面スイッチ、オーバーフロー防止、漏えい検知、ドレン
- 燃料小出槽、移送システム、燃料ポリッシングとの統合
- AXONのコンテナおよび防音エンクロージャー内のベースタンク、または単体のフレームとしての供給
- 沿岸部、砂漠、工業地域のサイトに合わせた材料と塗装
- 吊り点、および基礎設計用の満載時・空時の重量を記載した図面
お問い合わせの際にお送りいただきたい情報
- 発電機セットのメーカーと型式、または燃料消費量が記載されたエンジンのデータシート
- 必要な連続運転時間(時間単位)と、その際の負荷
- 一重殻か二重殻か。防油堤と漏えい監視に関する現地の規則
- 発電機セットの設置場所:屋外、コンテナ内、発電機室
- コントローラーまたは制御盤に必要な信号:液面、漏えい、オーバーフロー
- 輸送経路と現地のクレーン能力
よくあるご質問
発電機のベースタンクとは何ですか?
エンジンとオルタネーターの下のベースフレームに組み込まれた燃料タンクです。発電機セットはその上に据え付けられ、外部タンクや配管なしで専用の燃料備蓄を持ちます。
ベースタンクはどのくらいの大きさまで可能ですか?
設置面積と、整備可能なフレーム高さが許す範囲までです。それを超える場合は、大容量貯蔵タンクから移送システムを通じてベースタンクに補給します。
ベースタンクは二重殻ですか?
仕様または現地の規則で二次的な漏えい防止構造が求められる場合は、通常二重殻とします。外殻は内槽の全容量を保持でき、両者の間の空間で漏えいを監視します。
ベースタンクか、燃料小出槽(デイタンク)か?
ベースタンクは発電機セットの一部であり、屋外設置、コンテナ型、移動式の発電機セットに適しています。燃料小出槽は、設備の必要に応じた場所に設置される別置きの容器で、大容量貯蔵タンクから補給されます。多くのプラントでは両方を使用しています。
どのメーカーの発電機セットにもベースタンクを取り付けられますか?
はい。AXONは、支給されるエンジンとオルタネーターに合わせて、発電機セットに必要な取付点、吊り点、燃料接続口を備えたフレームを設計します。
ベースタンクに貯蔵した軽油は劣化しますか?
何か月も滞留した軽油には水分が溜まり、微生物が繁殖します。最低部のドレン、定期的なサンプリング、そして非常用発電機セットの場合は燃料ポリッシングシステムにより、使用可能な状態に保ちます。